ESG投資とは?これから投資の共通言語を初心者向けにわかりやすく簡単に解説!

ESG投資についてお調べ中ですね?

ESG投資とは、

Environment:環境
Social:社会
Governance:統治

これら3つの視点を考慮した投資を意味します。

このESG投資は、世界の投資のスタンダードになりつつあります。

投資全体の運用額に対して、日本は約2割、アメリカは4分1、EUでは約半分もESG投資で占めています

この注目度からも、まさに、これからの投資における世界共通語と言ってもいいでしょう。

日本では、私たちの年金を運用している世界最大規模のファンド『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』が2017年にESG投資を始めたことで、一気に注目されました。

ESG投資は、投資家はもちろん、これから投資を始めようという方にとっても知っておくべき投資の考え方になります。

この記事では、

  • なぜESG投資が注目されるようになったのか
  • 実際どれくらいESG投資が行われているか

など、ESG投資を初心者の方でも分かりやすく解説していきます。

ぜひ、参考にしてください。

1. ESG投資とは?なぜ今、注目されているのか?

ESG投資とは、

  • 環境(environment)
  • 社会(social)
  • 統治(governance)

を考慮した投資方法です。

概念自体は「社会的責任投資」という言葉で、1920年代から存在していました。

ESG投資が注目されるようになったのは、2005年に国際連合(以下国連)が『PRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)』を公表したのがきっかけです。

このPRIにて、ESG投資についてはっきりと明記されたことで、世界中から注目を集めました。

PRIの六原則

  1. 私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。
  2. 私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。
  3. 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。
  4. 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。
  5. 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
  6. 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。
PRIによって、国連がESG投資を重要視することがはっきりと示されたので、世界中が注目するようになったのです。

原則!ESG投資は寄附ではない!

「環境や社会に配慮するってことは、寄附?」と思いがちですが、寄附ではありません。あくまで「投資」。

なので、一般的な投資と同じように、リターンを得ることが大前提です。

では、ESG投資は、従来の投資方法と何が違うのでしょうか?具体的に見て行きましょう!

2. ESG投資と従来の投資方法との違い

ESG投資と従来の投資方法との違いは、投資を判断するための情報です。

本来投資は、

  • 企業が開示する財務情報(IRなど)
  • 投資の格付け企業が出すレポート

など、さまざまな情報を参照した上で、投資先の銘柄を決めます。

数字をベースとした情報をチェックし、リターンが得られるか判断します。

一方、ESG投資は、従来の企業に関する情報に加えて、

  • 環境(environment)
  • 社会(social)
  • 統治(governance)

に関する情報もチェックします。

例えば、

  • 環境に配慮した事業を行っているか
  • 従業員に過度な労働をさせていないか
  • 不正な取引を行なっていないか

などをチェックするのです。

このように、定量的な情報に加えて、数字では表せない定性的な情報も投資の判断材料にするのがESG投資の特徴です。

しかし、「そんな情報、どうやって見るの?」と思いますよね。

次は、ESG投資の具体的な方法について見ていきましょう!

3. ESG投資の具体的な実践方法

結論を言ってしまいますと、ESG投資の方法について、具体的かつ確実な手法は確立されていません。

理由としては、企業がどうやって情報を公開したら良いか分からないからです。

当然ですよね。数字で表せない情報を客観的に表現することは、非常に難しいです。

企業からの情報公開が乏しく、投資側もESG投資の判断が難しいというのが現状です。

企業の公開情報以外にも、世界中の格付け企業や調査機関がESG投資に関する手法やレポートを発表していますが、どれも確実なものとは言い切れません。

つまり、ESG投資の方法は、今も全世界で研究中ということです。

日本でも、さまざまな組織や研究者がESG投資について研究を発表しています。

例えば、首都大学東京特任教授、京都大学客員教授の加藤康之さんは、著書『ESG投資の研究:理論と実践の最前線』などで、ESG投資について多くの論文や見解を発表しています。

さて、模索段階のESG投資、現状どこまで浸透しているのでしょうか?

続いては、ESGの実態について見ていきましょう!

4. 実際、どれくらいESG投資は浸透しているか?

ここらは、ESG投資がどれくらい浸透しているのかについて、「世界」と「日本」に分けてご紹介します。

世界のESG投資の現状

全世界のESG投資の運用残高は、2017年末時点で31兆ドルと言われています。(参照元:2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW

ちょっとイメージしづらいですね。

為替相場にもよりますが、日本円に換算すると、約3,400兆円にもなります!

未だ明確な投資方法が確立されてないとはいえ、とんでもない金額ですね。

とくにEUでは、全運用残高に対して、ESG投資の比率が約半分(48%)も占めています。

とはいえ、この運用額の3分の2以上が「ネガティブスクリーニング」という手法で行われています。

ネガティブスクリーニングを簡単に説明しますと、タバコやギャンブル、武器開発など、明らかにESGに反すると判断された事業を行う企業を、投資対象から外した投資方法全てのことです。

この「ネガティブスクリーニング=ESG投資」を捉えたので、このような莫大な数字になったと言えます。

しかしながら、ネガティヴスクリーニングがESG投資なのかと考えると、ちょっと断言がしにくい印象です。

実際のところは、もうすこし少ないと考えると良いかもしれません。

日本のESG投資の現状

日本のESG投資は、私たちの年金を運用する世界最大規模のファンド『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』が、2015年にPRI(責任投資原則)へ署名、2017年実際にESG投資を開始したことがきっかけで、注目され始めました。

2018年では、日本のESG投資運用残高は2.2兆ドル、日本円で約230兆円になります。(参照元:2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW

世界のESG投資の全運用残高に対する日本のESG投資の割合は、約7%

日本だけでも、非常に大きな金額を運用していると言えます。

ただ、アメリカ(約14兆ドル)やEU(約12兆ドル)と比べて運用残高は低く、世界と比べて日本におけるESG投資の運用額は少ないと言われています。

それでも世界と同様、日本の運用額も年々増加傾向(2年間で360%増加)にあります。

このため、日本でも今後よりESG投資の流れは加速すると考えます。

国もESG投資に力を入れると宣言している!

国もESG投資に力を入れていると分かります。

例えば「未来投資戦略2018」において、ESG投資について明記しています。(引用:未来投資戦略2018概要全体版

「未来投資戦略」とは、これからの日本経済を活性化させるための国家施策です。

さらに、2019年5月に自民党が掲げた経済成長戦略においても、ESG投資に力を入れることを明記されています(28p)。

このように、まだ確実な方法は確立されていないとはいえ、世界、日本ともに、ESG投資に力を入れていることが分かります。

しかし、なぜこのタイミングでESG投資が注目されて始めているのでしょうか?

次は、世界がESG投資に注目するようになった背景について見ていきましょう!

5. なぜこれからはESG投資が主流となるのか?

結論を申し上げますと、資本主義の限界に世界が気づき始めた』ことが、ESG投資が注目されたきっかけです。

現代は資本主義社会。極端ですが、いかに早くたくさん稼ぐかが重要視される世の中と言えます。

さまざまな企業や投資家が、いかに稼ぐかということに注力した結果

・地球環境の破壊
・貧富の差
・金融危機
・企業の重役の不正

など、さまざまな問題が発生するようになってしまいました。

とくに2008年に起きた「リーマンショック」は、ESG投資が注目された大きなきっかけの一つです。

いかに早くたくさん稼げるかという考えは、結果的に身を滅ぼすことを、世界が実感した出来事と言えます。

リーマンショック以降、自分の利益だけでなく、自分を取り巻く社会や地球環境に配慮した経済活動が大切という考えが広まり始めました。

現に、国連は2015年の国連サミットにおいて、『SDGs(持続可能な開発目標)』という世界的かつ非常に挑戦的な目標を掲げました。

この目標は、持続的な経済成長を実現するための全世界共通の目標です。

このSDGsと、ESG投資は密接な関わりを持っています。

SDGsとESG投資の関係性

図を簡単に説明しますと、さまざまな民間組織が、各々取り組めるSDGsを設定し、社会に向けてその取り組み経過を世界に向けて発信します(一部の日本企業では「統合報告書」という財務情報と合わせた業績報告書を公開しています。)

投資家は、企業からの業績報告書やファンド・調査会社のレポート等から、ESG投資を行います。

つまり、たとえ短期的にはリターンが少ないとしても、持続的な経済活動を行っている企業・団体に投資をすることで、持続的かつ長期的なリターンが得ようということです。

6. 結局、ESG投資でリターンは得られるのか?

確かに魅力的な投資だけど、それで本当にリターンは得られるの?

これは、投資家なら誰しも考えることですよね。

確かに「投資」である以上、リターンが得られないと意味がないです。

正直、ESG投資を行うことで、確実にリターンを得られるかどうかは確証がありません。

ただ、世界の代表的な投資指数を出すMSCIによると、ESGの評価高い企業と先進国の大企業、ぞれぞれの業績を比べると、ほぼ同等の数値になったという報告があります(青線がESG評価の高い企業)。
(引用:MSCI ESG RATINGS

大事なのは、持続的な経済活動とその恩恵が受けられること

「ほぼ同等なら、従来の投資で良いのでは?」と感じる方も多いと思います。

そこで考えたいのが、今まで通りの投資を続けたら、将来も同じようにリターンを得られるのか?という視点です。

仮に、業績が良く、将来も成長が見込める企業に投資したとしましょう。

ただその企業は、地球環境を無視し、従業員に過度な労働を行っていたらどうでしょうか?短期的には大きなリターンを得られるかもしれません。

しかし、その結果、地球環境が壊れ、社会問題が深刻な中、その企業は事業を続けられるでしょうか?

今や、あらゆる情報がオープン化されたSNSの時代。悪い噂は一瞬で広がります。

そして、何よりも、このような世界で私たちは生活したいでしょうか?

でしたら、地球や社会に配慮した事業を行い、誠実な経営を行う企業に投資した方が良いとは考えませんか?

ESG投資は、このような問題意識から生まれた投資方法とも考えられます。

持続的な経済活動が実現し、その成長の恩恵を、地球上に住む私たち全員が受けられることが、大切ではないでしょうか?

7. ESG投資がしたい方により具体的なアプローチをご紹介!

最後に、これからの成長が期待できるESG投資を実際にしたい!というニーズもありかと思います。

そのためのアプローチ例をご紹介します。

結論を言いますと、財務情報に加え、

  • 環境(environment)
  • 社会(social)
  • 統治(governance)

この3要素が優れている企業に投資を行えば良いということでしたが、明確な指標等がまだなく決めにくいですよね。

そこで、すでにESGに高い知見がある投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用する投資信託に投資を行うことが現状では良い投資手法と言えます。

ESG特化のオリックス銀行

(引用:オリックス銀行)

例えば、オリックス銀行では、ESG投資も考慮に入れて優れた投資信託を厳選しています。

(引用:オリックス銀行)

もちろん投資信託を選ぶ際は、信託報酬や買付・解約手数料(信託財産留保額)などをしっかり確認してから購入する必要がありますが、予めESG要素も加味され厳選されているので、ESG投資を行いたい方にはおすすめです。

まとめ

ESG投資とは、財務情報だけでなく、

  • 環境(environment)
  • 社会(social)
  • 統治(governance)

に関する情報も考慮した投資方法

数字では表せない、定性的な情報を加味した投資なので、確実な方法は立証されていないのが実情です。

しかし、さまざまな問題が生じている現在、「持続的な経済活動」ができる仕組み作りこそが重要だと認識されつつあります。

持続的な事業活動かつ、成長できる企業に投資できるためにも、企業側の情報開示と、投資家の判断が問われています。

この記事が参考になれば幸いです。

参考文献一覧

本記事の著者

亀井郁人(かめいふみと):Webライター・Webメディア運営/編集

1994年生まれ。神戸大学工学部卒業後、新卒フリーランスに。FinTechを専門とした記事を多媒体で執筆しつつ、ソーシャルグッドなWebメディア運営や編集、ワークショップ事業を行なう。最近では、ESG/SDGsについての研究も行なっており、マネとも!ではESG/SDGsのコラム執筆及びESG/SDGsに沿った事業アイデアの提案、サポートを行っている。

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